野末陳平がすごい
先日、フラフラと散歩してた時に参議院選挙のポスターが貼ってある所の前を通りがかった。
あー、そうか、選挙があるのか。誰に投票するかなあ。なんてぼけーっとポスターを眺めていた、その時にふと目に入ったこのポスターにわたしは心惹かれてしまった。
野末陳平(野末陳平 - Wikipediaなんか有名な方だったみたいですね。だけどわたしは世代的に知らない)の
圧倒的おじいちゃん感!!!
そして「四半世紀ぶりに再登板!!」
「最後のご奉公」
「YES!CHINPEI NOZUE」
「高齢者の声を国会へ!」
の文字たち!!!
正直わたしはこれを見た時に
「ずるい!!」
と思った。
まずね、ターゲットを完全に絞ってるところ。
完全に高齢者票をとりにきてるっていうのがわかる圧倒的おじいちゃん感と「高齢者の声を国会へ!」の文字。
わたしら若者(若くないか、でも子育て世代とか)世代なんて眼中に無いわけですよ。いや、少しは関心あるよーなんつってね、枕詞的な「そして次世代の明日のために」っていう言葉ね。
完全に高齢者の票を狙いにきてる。それが一目でわかるポスター。
それに比べて某自〇党公認の女性の方のポスターは、「つよく、優しく、かがやく東京へ」なんつってね、うんうん、たしかにあなたは強そうだし輝いてる!そして美しいね!みたいな感想しかないポスターなわけですよ。ターゲットもわからないし、何が言いたいのかもよくわからない。
それに比べて陳平の潔さ。いやあ、素晴らしい。
次は「四半世紀ぶりに再登板!!」の強さよ。
これは昔議員をしてた上に長生きしてないと書けないフレーズなわけ。ちなみに陳平87歳。なかなかこれを言える人いないでしょ。まじで強い。
あと「最後のご奉公」!!
これ!!!もう議員やり切ったらすぐ死ぬのかな、とかむしろやってる間に死ぬ?みたいな不安感と圧倒的気力とやる気を同居させた完璧なひと言。
もう、しびれる。かっこよすぎ。
そして最後の「YES!!CHINPEI NOZUE」
これ、写真の圧倒的おじいちゃん感とのアンバランスさ、そして絶妙なYES!CHINPEIのダサさ。作った人、センス良すぎるでしょ。
わたし、この人のバックにはめちゃくちゃ優秀な人がついてるんじゃないかと思う。
だって、たった1枚の紙ひとつでここまで引っかかりを持たせて、語りたい!って思わせてくれるんだよ。これはほんとうにすごい事だと思う。
今まで何度も選挙のポスター見てたけど、こんなに痺れたのは初めて。完全に電波なやつとかたまにあるけど、あれは振り切りすぎてて逆に面白くないと思う。
やっぱり、おもしろさと真面目さのバランス感ね。
そこんとこ、ただ電波なだけのポスターとの違いを見せつける陳平のポスターは、不謹慎だけど「わたしも死ぬ時にはこんな感じで遺影作りたい!キャッチフレーズ考えとかなきゃ!」と思えるくらいの良い出来だと思う。
そして家のポストに入れられてた参議院議員選挙選挙公報(なんか同じ文字ばっかりでわけわかんない)の陳平の部分ね。
手書き。
しかも字が下手くそ!!
他のみんなのやつはパソコンできちんと作られてるのに、その中で突然の手書き。
まじでこの人のバックの人優秀すぎるでしょ。
コストかけずに目立てるし、たぶんターゲットのじーさんばーさんは、こういう手書き文字の方があたたかみを感じる、みたいなこと言うやろ(個人の感想(偏見)です)。
ほんとここまでターゲットを絞って振り切ってるのはすごい。
しかも投票率の高いと言われている高齢者層に向けてだしね。
個人的には、山本太郎さんとこのALS患者のふなごやすひこさんとか、振り切れた人が議員になるのはいい事だと思う。
何を伝えたいのか、何を変えたいのか、って言うのがハッキリわかるから、すごくわかりやすいし、きっとこういう何かの当事者(ふなごさんだと障がい者、陳平だと高齢者)が言うことで伝わる事っていうのがたくさんあると思うから。
だけどそこら辺もバランスで、陳平がたくさんいればいいってもんじゃないし、ふなごさんがたくさんいればいいってもんでもない。
何かに振り切れた人がたくさん集まることによって多様性がうまれて、何かが変わっていくんじゃないかなーと陳平のポスターと選挙公報を見てて思った。
わたしは陳平に投票しないけど(世代的に子育てや教育支援に力を入れていく人に投票したい)、それでも陳平の熱意とそれを支えているバックにいると思われる優秀な人達にエールと賞賛をおくりたい。
素敵な作品をありがとう。
しかし、あれだ、選挙って誰に入れればいいのかぜんぜんわかんないね。選挙むずかしーー!